smell, odor, scent, fragrance, perfume, stink

smellは最も一般的な語で,あらゆるにおいを表すが,形容詞を伴わないときは通例悪臭の意になる. odorはsmellの婉(えん)曲語で,不快なにおいを表わすことが多い. scentはそのものに特有のにおいで,通例かすかないいにおい. fragranceは甘く新鮮な草花の香り. perfumeは濃厚な香水や花のにおい(→香り). stinkは強い悪臭

http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/ej3/78481/m0u/


S.I. Hayakawa と Eugene Ehrlich の Choose the Right Word によると、smell も odor も、「互換性」がある上、いい匂い、悪い匂いのいずれについても使えるが、以下のニュアンスの違いがあると言います。

第一に、odor はそれ自体に個性があるというよりは、 a pungent odor(濃厚な刺激臭), a foul odor (悪臭)に見られるとおり、一緒に使う形容詞によってodorの内容が決まる感じがあり、実験室的な趣きもあるのに対して、smell は、cooking smells (料理の匂い)のように、smell 自体、単純明快で、暖かさすら感じられる素直さ (a simple, hearty, forthright quality) があるとされます。

何だかわかったようなわからないような説明なので、Merriam Webster の Dictionary of Synonymsを見ると、smell は odor などの同義語と比べて、"tends to be the most colorless. It is the appropriate word when merely the sensation is indicated and no hint of its source, quality or character is necessary" (一番個性が弱い感じがある。嗅覚の作用が語られているにとどまり、その発生源、質に対する判断、または属性にまで触れる必要のないような場合は、一番適している単語だ)とされています。

比較で言えば、smell は、odor 同様、いい匂いについても悪い匂いについても言うけれど、odor と異なり、いわばニュートラルなので、smell という言い方には肯定的評価も否定的評価も伴わないのだと言えるようです。

この差は、実際の例から考えてもわかります。例えば、最近、よく耳にする「加齢臭」などは、もともとネガティブな意味あいがありますから、こういったものを取り上げている資料を見ても、たいていは、aging odor といった言い方をしており、aging smell という言い方は私はまだ見たことがありません。

考えてみれば、この aging odor の大本とも言える体臭も、元々、好ましいものとは捉えられていないようで、odor をベースにした、body odor または BO で通っています。

してみると、何かネガティブな意味あいを前面に出したいときは、smell よりは odor を使うのだと言えるかのようです。

第二に、odor は、"the clean smell of a soap" (せっけんの清潔な香り)と "the spicy odor of incense" (お香の甘く、かぐわしい香り)を比べて感じられるとおり、時として smell に比べて、心地よい香りが一段とデリケートなものとして語られるのに使われます。

「一段とデリケートなもの」かは別として、一つ言えるのは、odor は、Scholastic Children's Thesaurus が指摘するとおり、"a smell, particularly a strong or long-lasting one" (特に強いとか、長く漂う感じの匂い)を指すと言えることです。例えば、この本は、以下、二つの例文を挙げていますが、いずれも、ただの smell よりは、一段と強いか、長く漂っている感じを出すために敢えて odor を使っていると解されます。

The gym was filled with the odor of sweat. (体育館は館内全体が汗臭かった)

Wonderful odors drifted out from the kitchen. (実にすばらしい香りがキッチンの方から漂ってきた)

というわけで、結論の二として、odor は「強めの smell」を言うようでもあります。そして、強めの smell としての odor の世界では、上の wonderful odors という言い方に表れているとおり、必ずしも悪いニュアンスで使われるとは限られません。

第三に、"the smell of the sick room" (病室の匂い)と "the odor of formaldehyde" (ホルマリンの匂い)のように、smell がいくつかの匂いが混ざり合った結果だったりするのに対して、odor は、単一の「発生源」がある。

これは何だか妙に説得力があります。

以上を要するに、smell との対比で odor の特色を上げると、第一にネガティブなニュアンスが前面に出ており、第二に、smell よりは「強い感じ」があり、そして第三に、「発生源」が基本的に単一であるということになります。

http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2008/06/post_484.html